昨年からスタートした「 AI セミナー」、今年も 2 月に実施し、今週金曜日も本年 2 回目を実施します。
※ 2019/7/12 日本経営協会主催「AI機械学/ディープラーニングの実態と導入のポイント」
この半年の間、とある大手 IT 企業のクラウド型 AI サービスのハンズオントレーニングを受け、そのフィードバックを新たに盛り込みました。
トレーニングの内容は、クラウド型 AI 機械学習ツールを使った分析や予測モデルの構築ですが、さすがに R や Python を必須としないまでも、やはり分析アルゴリズムのいくつかについては、理解しておく必要があり、さらに結果や精度についてのユーザ説明に課題がある、と講師は話していましたが、統計学的な資質のあるユーザ、全く無いユーザで説明の仕方に知恵が必要かと感じました。
その他、前回のセミナーでは、「社長(首長)に AI をやれと言われた」が、どうすれば良いのか分からないというご質問があり、これについても、方向性を盛り込みました。
実際、AI をゼロから始めるなら、ある程度の研究要素の高いプロジェクトを立ち上げ、PoC までやって AI による新規事業の可能性があるかを、他の AI 動向や環境面、経費などを含め、経営陣にお話しする処を最初のゴール設定するよう推奨していますが、人材という点では、市民データサイエンティストの社内育成は必須だと考えています。
では、その「市民データサイエンティスト」って何?
ということで、これはレベルの差の大きな話がそこここで聞かれているかもしれませんが、私の考えでは、単純に言うと、そこそこの理科系の大学や大学院で、論文のテーマは何であれ、統計学的手法により、テーマ事象の有意性の有無を書いたという経験があれば、取敢えず「市民データサイエンティスト」としての素養は備えていると言っていいかなと思います。
つまり主要な幾つかのアルゴリズムを使い、さらにデータを加工しながら、分析結果についての有意性を論じた経験があるなら、ここを一度でも経験していれば、真のデータサイエンティストにならないまでも、AI 業者との雑談が出来、プロジェクトを大きく外さない能力があると言っても差し支えないかなと考えます。
当研究所では、いくつかの AI パートナーの企業と検討し、この「市民データサイエンティスト」の育成研修を企画しています。理科系大学での統計学的手法を使った論文を書いたことがなくても、「市民」として、今後の AI の民主化としての技術的な向上も視野に入れ、ユーザとしての素養を
養って頂く内容です。
今後、企業の活動において、対顧客や取引先ばかりでなく、社内の管理系システム等 ERP にも AI がどんどん組み込まれていく中、この市民データサイエンティストの素養は、実は、ほとんどの部門の管理職に求められるものになっていくと考えています。