3 月は、日本にとって、ある意味、防災や事業継続計画にとって、重要な月となります。
つまり 3.11 の記憶が鮮明に残っていることで、この月に地震対策の BCP 訓練を実施する企業が多いためです。
しかし今回の新型コロナウイルスの拡がりで、いくつかの企業は、地震対策から、新型コロナウイルス対策の訓練に切り替えて実施しようとしています。
では、どのような訓練を「今」実施すべきか。
危機管理担当者が中心になって、役員・取締役が一体となった訓練が求められます。
下記は、一例ですが、オフィス内で、新型コロナウイルスの症状(37.5 度以上の発熱と咳、呼吸困難等)が見られる疑い患者が発生したという想定で、
- (状況)疑い患者に N95 マスクを着用してもらい、表もしくは裏の出入り口に近い会議室に隔離
- (状況)最寄りの保健所に連絡し、指示を受ける(指定病院への通院を指示されたと仮定)
- (状況)公共交通機関を利用せず、疑い患者自ら徒歩や、社用車を健常者社員の運転で、病院に直行
- (実地訓練)危機管理担当者による社内外の濃厚接触者の調査と該当者の帰宅および経過観察の指示
- (実地訓練)社内担当役員および社長へのエスカレーションと社外の場合には、疑い患者発生の連絡
- (実地訓練)緊急役員会(ウェブなどを利用したリモート会議)開催と、行動指示
これらの訓練には、役員のリモート会議など、いくつか平時で実施していない行動が含まれていると、より訓練の意味が出てきます。
基本的に、従業員には、安全配慮義務として、危険な行為(防護具の着用がない担当者の疑い患者への濃厚接触やオフィス除菌作業など)をさせないことを前提に、教育や対策本部のマニュアル化(ガイドライン化)と訓練が行われる必要があります。
現在、マスクばかりでなく、消毒剤や防護具(PPE)も入手困難な状況で、企業の危機管理担当者は、非常に困惑している状況だと思われます。
もし会社のルートで調達が困難な場合には、従業員から入手するなど全社を挙げて対応が求められています。