南海トラフ地震 2035 年± 5 年発生予測と BCP

2021年11月27日 by Tomoyuki HAYASHIDA
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先日 11/24 に行われた地震予知学会主催の公開講演会「南海トラフ巨大地震は確実に起こる~大阪湾を襲う津波~」を Zoom ウェビナーで視聴致しました。

基調講演では、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏が、次の南海トラフ地震は、2035 年 ± 5 年で起こる可能性についてお話しされていました。

それによると、図にあるような歴史的に繰り返されている南海トラフ地震の発生には、プレートの沈み込みと跳ね返りの周期があり、その条件を当てはめると、2035 年 ±5 年という予測が可能だという内容です。内閣府による南海トラフ地震発生のステートメントが、この先 30 年で起こる確率が 70% ~ 80 %とのことですから、よりピンポイントだと感じます。

これ以外にもいくつかの指標において、2030 年台で南海トラフ地震が発生する可能性についてもご説明があり、いよいよ具体的な対応方法について、企業の BCP としても考えなくてはならない時期に来ていると感じました。

東日本大震災が富士山にも影響を与えていることで、次の南海トラフ地震の発生に伴う富士山噴火に関しても言及されていましたが、今すぐにでも、この地震に対応する基本的な考え方を問われていると思います。

リスクマネジメントとして、一つは、「レジリエンス」として、正面から受け止めて回復への弾性力を養うという考え方、もう一つは、「回避や分散」によって、被災を軽減(減災)するという考え方です。

今まで、我々、危機管理/BCP のコンサルタントは、概ね前者によるアプローチが中心になっていたと思います。つまり被災した後に、利用可能な企業リソースを最適化し、極力事業縮退もせず事業継続を行うという方向性です。これには過去、経営陣に対して、分散アプローチの提案が莫大な費用が掛かることで、尽く否定されてきた歴史も少なからず影響しています。

しかし南海トラフ地震のような関東から九州に至る広域の被災に対して、拠点の位置、サプライチェーンや物流などを考えた時、企業活動として、真正面から受け止めるには、大き過ぎるまた広過ぎる影響であり、後者の考え方、つまり本社機能や工場、物流センターなどコア事業に対する防御策にも、回避や分散という考え方を当て嵌める必要性を無視できないのではないかということです。

簡単に言えば、企業拠点の中心群が、南海トラフ地震(東海、東南海、南海)の影響下にあるような場合、一瞬にして企業活動の停止を止む無くさせられる状況を、回避や分散として、影響範囲外のエリアにも分散させるというアプローチです。

今テレビドラマの「日本沈没」にあるような首都移転にもつながる発想ですが、あの映像を見ていると、企業に対しても、同様の「移転」による回避策が、長期的計画ではなく、中短期として考えるべきタイミングではないかとの思いを強くします。